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第6回 「体験こそ一番の教師 チャンスをのがさずに!」

 ただ絵本を見ているだけでも、子どもたちはいろいろな発見をしています。
 「あれ、この鳥だけ大きいや。」
このチャンスを逃さず、子どもたちと一緒になって考えてみます。
 「どうしてだろう。」
 「だって、このフクロウは一番前にいるからさ。」
 「近くだからでしょ。」
それでは外に出て、近くのものは、ほんとうに大きく見えるかどうか、確かめてみようということになります。
 「あっ、先生、本当だ。あんなに小さく見えた車が、近くにきたら、うわー、本当の大きさだ。」
 「あの遠くの建物、窓があんなに小さく見えるね。」
子どもたちは、ここで遠近と大きさの関係を知るのです。

 あるとき、食事の済んだ子どもたちが、ヒマワリの花の種とりをしていました。三人でやっているのを見て、S君が言います。
 「けんちゃんのが、一番多い。」
 「どうしてけんちゃんのが多いってわかるの。」
 「だって、けんちやんは、いつも一番に、ご飯食べ終わるもん。今日も、種 とりを始めたの一番だったから、一番多いに決まってる。」
変な論理です。このままでは大変。

そこで私も、大急ぎで食事を済ませ、六番目くらいに種とりに加わりました。そして猛烈なスピードでたくさんの種をとったのです。
 「どお、先生のとった種。」
 「うわー、一番多いや。」
 「でも変ね、先生は六番目に始めたのよ。一番はけんちやんだったはずね。」
 「そうだ、種の数、数えればいいんだよ。」
数えるのがまた大変。一つずつ並べているもの、十ずつの山にしているもの。それでもこうしているうちに一対一の対応の法則や集合などの理屈が、本物として、しっかりと身についていくのです。

チャンスを逃さず適切な働きかけを行ない、しかも子どもたちに食い入るような眼差しを向けさせ、子どもの心の中にしっかりと受けとめてもらえるような、ピリッとした注入の仕方をしたいものです。

本吉園子先生からのメッセージ(全7回)